日本ではこのような言い方をよく目や耳にします。「I will send a staff to help you.」(スタッフを手伝いに行かせます)これはネイティブスピーカーの耳には奇妙に響きます。それは、「staff」(スタッフ)は不可算、または「質量」名詞だからです。「staff」という言葉は人の集まりを表します。たとえば「レストランのスタッフ」や「清掃スタッフ」などです。この文を正しく言うなら、「I’ll send a member of staff to help you.」になります。 この文は文法的には正しく、実際にもよく使われるかも知れませんが、もっと普通の言い方をすれば「I’ll send someone to help you.」(誰かを手伝いに行かせます)になります。このほうが短くて言いやすいので好まれています。聞いた人は、やって来る人は「スタッフの一人」であると分かっています。直訳だと必ずしも自然に響かない場合があります。 日本で間違って使われている数えられない名詞の例は、「equipment」(装置)や「fruit」(果物)など、他にもたくさんあります。では、どうすれば、その言葉が数えられるのか、数えられないのか分かるのでしょうか。残念ながら分かりやすくて簡単な識別方法はありません。ただしいくつかの方法があり、問題をもっと簡単にすることができます。 まず、新しく登場する言葉の単語帳を作っている場合は(本気で勉強している人は作っています)、これに新しい言葉が可算名詞なのかそうでないのかを書き込みます。これは和英辞典には記されていないかも知れないので、新しい言葉に出会うたびにその語を英英辞典でチェックするとよいでしょう。オックスフォードの辞典では [C] と [U] の記号で示されています。挙げられている例文を書きとめます。こうしておくと簡単に覚えられます。 次に不可算名詞ですが、これは一般に特定のカテゴリーに分類されます。液体、粉末、物質を示す名詞は一般に数えられません。たとえば、water(水)、wine(ワイン)、sand(砂)、rice(米)、wood(木材)、それにmetal(金属)などです。これには一理あります。グラスの中の水の分子や浜辺の砂の粒は数えられませんよね。ですが、例外もいくつかあります。お皿に盛られた料理に入っている豆の数など数えたくないかも知れませんが、「peas」(それに「beans」も)は可算名詞です。 可算名詞か不可算名詞か識別する別の方法は、使われている前後関係を見ることです。動詞は単数・複数のいずれに対するものとして使われていますか。どういった限定詞が使われていますか(thisかtheseか、thatかthoseか)。 ときどき、不可算名詞と分かっている語なのに「s」が付けられているのを見かけることがあります。これは何かの別の種類またはタイプを表します。 A variety of fine wines (各種高級ワイン)とか A selection of tasty cheeses(おいしいチーズの品揃え) などがそうです。 またネイティブスピーカーがくだけた場で、「Three beers, please.」(ビール3つ)とか「Two whiskies, please.」(ウィスキー2つ)などと言うのを耳にされるかと思います。この場合は「glasses of」という言葉が省略されています。 これでお分かりになったでしょう。 こうした文を練習すると、可算名詞なのか不可算名詞なのか分かりやすくなります。でも心配しないでいいですよ。私たちも間違えますから。 |
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7月 2022
筆者Jeff |