「バズワード」は、最近の流行語で聞くとなるほどと思わせる言葉です。新しく作られた言葉で、定着するものもあれば次第に消えていくものもあります。去年流行ったバズワードをいくつかご紹介しましょう。
去年始め頃「tiger mother」という言葉が流行りました。タイガーマザーは自分の子供に厳格なまでに仕事を課し、自由時間を拘束し、これをいつもきちんとこなせるようにしつける厳しい母親のことです。しかし最近の調査で、これは子供の自分を大切にする心が育たない上、過度のうつ状態を引き起こし逆効果だということがわかりました。 米国や英国ではリアリティ番組はとても人気ですが、番組制作側があらかじめ場面を設定して一般の人にリアルに話をさせる「structured reality」という言葉が生まれました。日本でいう「やらせ」に近いでしょうか。 なにか歯車がかみ合わなくなり、その後どうにも抜き差し難い状況になるとよく「omnishambles」と言う言葉を耳にします。去年は英国政府も発言した言葉です。 「Attachment parenting」も去年流行りました。子供が2歳位になるまで母乳で育てたり、両親と一緒のベッドで寝かしたり、直接触れることを重視する子供に付ききりの育児法です。 アメリカ経済が低迷していた2012年は物価が上昇しても所得は上がらず、そこで収入が目減りしてほしいものも思うように買えなくなった中産階級者は「squeezed middle」と呼ばれるようになりました。 去年アメリカ東海岸をハリケーンサンディを含む3つの大型ハリケーンが襲い、天気予報で「Frankenstorm」とあだ名が付けられるまでになりました。フランケンシュタインとストームの造語ですが、地球温暖化が進む中これから気象についてもっといろいろな造語やあだ名が出てきそうですね。 「3D printing」という言葉も盛んに耳にしました。3Dソフトウェアを使ったプリンターで、一部に動きのある3次元のオブジェクトを造形するものです。プリンターの価格も下がってきている上、ソフトウェアの使い勝手も簡単になってきているので、「3Dプリンティング」は今後もっと聞かれることになると思います。 去年終盤頃には政治家やジャーナリストやコメンテーターといった「chattering class」の口から盛んに「fiscal cliff」-財政の崖―という言葉が聞かれました。時限的な実質増税と歳出削減が年末にかけて重なることから景気が失速しかねない事態に陥りました。ぎりぎりの話し合いでなんとか回避されたものの、年が明けた今年も更なる財政の崖がアメリカ経済に待ち受けているもようです。「財政の崖」は日本経済を指しても使われています。 などなど2012年のバズワードいかがでしたか。今年はどんなバズワードが聞こえてくるか注目していきましょう。 |
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7月 2022
筆者Jeff |