昔の技術が復活の傾向にあることに気づいていますか?それはレコード盤が始まりでした。レコードのほうが音に“温か味”があると人々が感じていることを理由の一つとして、今、レコードは再び生産されています。塩化ビニール製のアナログレコードは、1950年代から、CDにほぼ取って代わられる1990年代にかけて音楽流通の手段でした。“レコードの復活”は2007年頃に始まり、市場全体におけるシェアはまだ6%未満であるものの、急速に拡大しています。
2017年12月の日本での国内生産額は1億2000万円、輸入額は1億1600万で、市場シェアは約1%でした。 2014年のアメリカでは、レコードオンライン販売業者の最大手アマゾン社の市場シェアが12.3%、店舗販売業者の最大手アーバンアウトフィッター社のシェアが8.1%でした。 アメリカレコード協会は“2016年出荷・売上統計報告”の中で、「レコードの出荷額は4%アップの4億3,000万ドルで、小売価格での総出荷額の26%を占め、1985年以降最大のシェアであった。」と述べています。 このレコード人気の上昇はイギリスを含む他の西洋諸国でもみられています。 2017年6月、ソニー・ミュージックは、2018年3月までに1989年に生産を停止して以来、初めて自社でレコードを生産することを発表しました。BBCはソニーの決定を報道し、「ソニーは、レコード製造に必要なマスターディスク作成に使用される旋盤を東京のスタジオに設置してから数カ月後に生産を開始する」と伝えましたが、「ソニーはレコードの作り方を知っている昔の技術者を探すのに苦労している」とも加えました。 カセットテープも復活を遂げています。バーガー・レコード社のようにカセットを専門とするレコード会社が台頭してきています。 最近復活してきている昔の技術はフィルム写真です。巨大なフィルム帝国コダック社の衰退にかかわらず、保守的な数社はフィルムにこだわり生産を続けました。日本では、富士フィルム社が生産を限定的に続け、イギリスでは白黒フィルムを専門とするイルフォード社がフィルム生産を続けました。また、米国コダックから再生したイギリスのコダックアラリス社もカラーフィルムと印画紙を生産し、“売上の上昇”を報告しています。また、同社はコダクロームフィルムの再販売も検討中です。コダクロームは1935年に発売され、2010年に販売終了となりましたが、今でも文化的そして人々の気持ち的に強力に支持されています。コダクロームはハリウッドの全盛期および第二次世界大戦中に広く使用され、その充分に飽和された緑色、青色、赤色、そして、多くの人にとって20世紀のアメリカの象徴となった、少し現実離れした激しい感覚を絶賛されました。 今でもフィルムカメラを製造している会社は、ほぼニコン社とライカ社のみですが、注目して下さい!新参者がいます。1990年代初期以降初めてとなる新しいデザインの一眼レフカメラの生産がまもなく始まろうとしていて、現在、ロンドンのストークニューイントンの小さな工場で計画が練られ、試作品が製造されています。この新たなReflexカメラは、デジタル写真撮影で育ったもののフィルムにはまった世代をターゲットとしています。カメラ本体とレンズが別売りで、1960年代や70年代の一般的な35mm一眼レフカメラに似ていますが、取り外し可能なフィルムバックが付いていて、ロールの最後まで待たずにフィルムを素早く日光下で交換することができます。カメラ本体には5種類のレンズマウントの規格があります。 ガーディアン紙は次のように伝えています:「ロージー・マセソンはフィルムを採用した専門家の新しい波の典型である。22歳で、ポートレートおよびドキュメンタリー写真家である彼女はアディダス、ナイキ、VICE、iDマガジンと仕事をしている。」 「両親の古い35mmフィルムカメラがすぐそこにあり、私は7歳くらいの時にそれを手に取って使い始めたの。」ロージーは振り返りました。「10代の時にデジタルカメラで写真を撮り始めたけれど、夢中になることはなかったわ。画像が圧縮されているみたいで、本物っぽく見えなかったの。私にとって暗室は癒しのようなものだったわね。自分の世界に入り込んで、音楽を聴いて、画像に命を吹き込むの。」 先月、クラウドファンディングサービスを提供しているキックスターターからの支援を確保し、Reflexの製造チームは試作品の改良を春までに完了することを目指しています。このヨーロッパ製のカメラを、ターゲットとする20代30代の年齢層に手が届く価格に抑えるためには、中国で製造しなければなりません。Reflexは秋に発売予定で価格は350~399ポンドです。アマゾンUKでぜひ購入しましょう! |
過去の記事を読む
7月 2022
筆者Jeff |