エッセーを書く前にもう一度アウトラインを見てみましょう。もっとよくすることはできませんか。トピックやアイデアは興味をひきますかですか。アウトラインを書いた後で新しいアイデアが浮かんできませんでしたか。さらに面白くする方法はないですか。まだアウトラインを書いていないのであれば、前回の説明に戻ってアウトラインを書いてください。
エッセーは序論から始めます。序論ではこれから書く主なアイデアを紹介します。いきなり最初のトピックから書いてはいけません。描写的なエッセーであれば取り上げるトピックについて、議論的なエッセーであれば基本的な問題や議論について述べます。 序論が書けたら次は最初のトピックです。トピックを「トピックセンテンス」で紹介します。たとえば前回、アウトラインを作成した東京について次のように始めます。 Tokyo has a long and interesting history, let’s begin by looking at the city in pre Edo times. (東京は長くて面白い歴史を持った街です。まずは江戸時代以前に遡って見てみましょう) 次に、江戸時代以前の東京について1パラグラフ書きます。注意してほしい点は、1つのアイデアにつき1つのパラグラフにするということです。アイデアすべてを含むような長いパラグラフを書いてはいけません。アイデアごとにパラグラフを1つ書いたら、次のトピックに移り、また「トピックセンテンス」で紹介します。 パラグラフを書くとき、忘れてはならない大事なスタイルがあります。英語では本旨を先に書くようにしましょう。一体このパラグラフは何が言いたいのかといった疑問を読者に抱かせないようにします。何について書いてあるかがすぐに分かるようにします。英語と日本語のスタイルではこの点が大きく異なります。 トピックをすべて書き終わったらいよいよ結論です。結論ではエッセーを要約します。描写的なエッセーではもう一度これまでのトピックについて述べ、議論的なエッセーでは賛成論と反対論を要約し、自分の意見の主な理由を述べます。書き手の中には本文で触れなかった新しい事実を加えて、エッセーに輝きを与える人もいます。なかなかいい手法ですがやりすぎはいけません。新しい事実は1つで十分です。 これで終わりでしょうか。実はまだやるべきことがあります。次は書くプロセスの中で一番見落とされるもの――書いた後の見直しです。批判的に読んでさらに問題点を探ればエッセーの質がぐんと上がります。大学で言うと、評価レベルが1ランク、2ランクは上がります。 見直しは書き終えてすぐにしてもあまり効果がありません。1日、時間の余裕があれば1週間ほど空けてから読み直します。こうして間を空けると批判的な感覚が戻ってきます。新たな目と感覚でエッセーを評価します。もちろん最初はスペルミスや文法的な誤りを探します。たとえば時制が一致しているかどうかです。次にぎこちない表現を探して、より自然な表現に変えます。その後、エッセー全体を読み見ます。バランスは取れているか。トピックの中でもう少し詳しい説明が必要なところはないか。順序を変えたほうがいいトピックはないか。もっと瑞々しい表現はないか。じっくりと客観的な目で見て批判的に読みます。 もちろん最初はうまくいきませんが、これが習慣になるようにします。ここがアマとプロの違いです。プロは納得が行くまで何度でも書き直します。せっかく書いた長い文章でもあっさりと消して書き直します。 最後に2、3点、付け加えておきます。 レイアウト エッセーは一連のパラグラフで構成されます。パラグラフはインデント(タブキー)や空白行で表します。どちらか1つだけを使い、ミックスしてはいけません。新しいトピックを始める際にもう1行余分に空白行を入れたりしないように。 スタイルのポイント 忘れないでほしいのは、英語でいうよいスタイルとは日本語でいうよいスタイルとそっくり同じではないということです。日本語のスタイルは避けます。 たとえば読者に質問したり、意見を述べさせるような書き方はしません。 ×:Have you ever been to Tokyo?(東京へ行ったことはありますか) ○:Let me tell you about Tokyo.(東京についてお話しましょう) 文章を「and so on」や「etc.」で終わらないようにします。英語では弱い感じがします。 一般的な読者を想定します。ある知識を持っている、または持っていない読者を想定してはいけません。読者に直接呼びかけることもしません。 ×「As you know Ginza is a famous shopping district.(ご存知のように銀座は有名なショッピング・エリアです)」 ○「Ginza is one of the most exciting shopping centres in the world.(銀座は世界でもっとも心弾むショッピング街です)」 ×:Why don’t you come to Tokyo?(東京を訪れてみては?) ○:Tokyo is well worth a visit.(東京は訪れる価値があります) これでおしまいです。しっかりしたエッセーを書いてください。書けば書くほどうまくなりますので頑張りましょう。 |
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7月 2022
筆者Jeff |