日本を始め東アジアの国々では、人の話を聞くとき「Yes, Yes, Yes」などと相槌を打ちます。この「Yes=はい」は「話を聞いていますよ」とか「内容を理解していますよ」という意味で、「あなたの意見に賛成です」という意味ではありません。ところが英語で相槌に「Yes」を使うと「あなたの意見に同意します」という意味に取られるおそれがあります。英語では普通「Yes」という相槌は打ちません。
英語では「Uh-huh」と言って話を聞いていることや内容を理解していることを相手に伝えます。大抵はこうした対応で十分ですが、より積極的に相槌を打つ必要がある場合もあります。聞き手がもっと会話に積極的にならなければならない場合や話し手が聞き手にもっと会話に積極的になってほしいと思っている場合です。この場合「Aah(how cute=「かわいい」の意味)」とか「Ah!(I see=「なるほど」の意味)」、「Mm(that makes me think=「そういわれて見ると」の意味)」などと相槌を打つとよいでしょう。「Oh?(へえ)」や「I see(なるほど)」と相槌を打つこともできます。 もちろん積極的に相槌を打って同意を示さなければならない場合もあります。そうした場合は「OK」「Yes」「Right」などと相槌を打ちます。 相手との会話をより積極的にする方法としてこのほかに「オウム返し」があります。キーとなる言葉や語句を繰り返すやり方です。次のやり取りを見てみましょう。 S:“I’m leaving for Paris tomorrow.” L:“Paris?” S:“I’m going for two weeks.” L:“Two weeks?” S:“Yes, I’m going to have a great time and the best part is that the hotel is only costing 50,000 yen.” L:“50,000 yen!” * S=話し手、L=聞き手 オウム返しをすると、聞き手は相手に話の内容に興味があること、さらに話を続けてほしいという意思を示すことになります。聞き手が最初のやり取りで「Oh」と抑揚のない声で相槌を打ったら、話し手はそれ以上続ける気を失くしていたはずです。 こうした方法を練習して使うと、英語のやり取りがもっと豊かで楽しいものになります。ただし注意点が2つあります。1つは、英語の場合、日本語ほど頻繁に相槌を打たないということです。何か言うたびに「Uh-huh」と応じる必要はありません。言い過ぎるとかえって相手をイライラさせ、言わんとしていたことを忘れさせてしまいます。相槌を打つタイミングを見計らってください。相手が少し言葉を切ったらこちらが話の内容を理解しているか確かめているサインです。相槌を打つ絶好のタイミングと言えるでしょう。 もう1つは理解していないのに分かったふりをしないということです。分かっていないときに遮ることは悪いことではありません。それは相手も予想の範囲内です。それ以上に話し手がイライラするのは相手に理解してもらえないまま10分間も話していたと分かったときです。理解できない場合は“Sorry, could you repeat that?(すみません、もう一度言ってください)”とか“Sorry, I don’t understand.(すみません、よく分からないのですが)”と丁寧に聞き返すようにしましょう。 これらのことに注意すればあなたも上手に相槌が打てるようになりますよ。 |
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7月 2022
筆者Jeff |