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Aspects of language and culture, by Jeff
~言葉と文化のとらえ方~

第103回 来たる英国国民投票

3/1/2016

 
6月23日、EUから離脱するかどうかを決める国民投票がイギリスで実施されます。デイビッド・キャメロン首相は、自身はEU残留を支持していますが、党内の右派メンバー (「EU懐疑派」) をなだめ、反EUであるイギリス独立党 (UKIP) を弱体化させるために、国民投票の実施を2013年に約束していました。キャメロン首相は次の総選挙で再選した場合、イギリスのEU加盟国としての条件を再交渉し、EUに残留するか離脱するかについて国民投票を行うことを約束しました。そして今、首相は再交渉を終え、投票日を決定しました。
 
何が争点で、誰が主唱者なのでしょうか?
 
EUの今後については、考え方が2つあります。1つは、ドイツのアンゲラ・メルケル首相に象徴されるように、最終的に欧州が完全に統合されることを目指し、より一層強い結びつきを望む考え方です。もう1つは、より緩やかな結びつきを望む考え方です。概して、歴代のイギリス政府は緩い結びつきを望む見解を示してきました。たとえば、イギリスはユーロ圏に加盟しませんでしたし (欧州の最近の問題を考えると、これは賢明な選択であったと考えられています)、シェンゲン協定 (国境を自由に移動できる) にも加盟していません。
 
キャメロン首相によれば、新たな条件により、イギリスはさらなる統合を強要されないことが約束されます。基本的な条件は以下のとおりです。

・イギリスへの移民に支払う公的給付金の制限
・ユーロ圏には非加盟のままで、それによる不利益も被らないこと
・シティ・オブ・ロンドンの保護 (金融サービス業に対してユーロ圏の規制を課さない)
・イギリスには欧州との「より一層強い結びつき」を強要しないと認めること
・望ましくない法案を阻止するために各国政府が結束しやすいようにすること
・「お役所仕事」(官僚主義) を減らし、競争を活発化させること
・EU加盟国民と結婚する加盟国外の人の自由な移動に何らかの制限を設けること

これらが新しい条件です。では、誰が残留を希望し、誰が離脱を希望しているのでしょうか?
 
「Brexit (ブレグジット)」(British [イギリスの] exit [離脱]=EU離脱) 陣営には5人の閣僚を含む与党保守党のMP (下院議員) の約半数がいます。UKIPももちろん離脱派です。ブレグジットの支持者は、最近、ロンドン市長のボリス・ジョンソンが離脱支持を表明したことにより大きな後押しを受けました。ジョンソン氏はキャメロン首相の学友であり、国中に支持者を持つ著名人です。保守党の次期首相候補とさえ言われています。昨年、ジョンソン氏が来日した際、タッチラグビーの試合で白熱しすぎて、少年をタックルで倒してしまったことは記憶に新しいでしょう。
 
残留支持派には、保守党の残り半数と労働党の大半が含まれます。左派の労働党新党首ジェレミー・コービンも残留を支持していますが、どっちつかずの印象です。他には、スコットランド民族党 (SNP)、ウェールズの地域政党であるプライド・カムリ、自由民主党などが残留を支持しています。政界以外では、大企業や業界団体がイギリスのEU残留を強く支持しています。EU加盟国以外でイギリスの残留支持を表明している国は、アメリカ、日本、オーストラリアなどです。
 
これらはいわゆる「上の人々」の考えですが、実際に投票する「一般国民」はどうでしょうか?現時点では、この件に関して、世論は半々に分かれているようです。これは本格的にキャンペーンが始まると変わるかもしれません。そして、賛成派と反対派の意見がメディアを賑わせるでしょう。今の段階で、投票の行方を予測するのは不可能ですし、結果は最後の最後まで分かりません。ぜひ、今後の展開に注目してください!


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    筆者

    Jeff
    イギリス、ランカシャー出身。1992年からYTBのエディターとして活躍。その他にも大阪大学、関西大学、大阪外語大学で教壇に立っている。大阪在住。

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