先ごろ、数年ぶりにイギリス(UK)を訪れました。前回の訪問から様々な変化があったので、私の経験したことをいくつかお話しさせていただきます。
私自身英国人であるにも関わらず、今回の里帰りで相当なカルチャーショックを経験しました。こう言うと驚かれるかもしれませんが、日本に長年住んでいると日本人の視点で物事を見るようになります。たとえば、周りの人たちがみんな大きく見えました。私自身は大柄ですが、周りにいる私より背が低く痩せた日本人を見慣れてしまったのです。ですから大きい西欧人が群れをなす光景に、私は一瞬目を見張りました。 すぐ気付いたのは、通行する自転車の数が増えたことです。今回訪れた町では自転車専用レーンが増え、自転車に乗る人を前より多く見かけました。現在かなり広まっている「グリーン・トレンド」の一環です。たとえばロンドンでは公共の貸自転車制度があり、利用者は特別なキーで駐輪場にある自転車を開錠し、好きなだけ乗ることができます。最初の30分は無料で、利用時間に応じて料金が請求されます。この制度は市内720ヶ所の駐輪場で高い人気を呼び、毎月平均して50万人が利用しています。 もう一つ気付いたのは、市の中心部にスーパーが誕生したことでした。何年ものあいだ、大型ショッピングモールやショッピングセンターを街はずれや街から出た地区に建てるのが一般的でした。しかし、現在は市のど真ん中や目抜き通りに小規模な食料品専門店を建てるのがトレンドです。既存の大型チェーン、セインズバリーズ(Sainsbury’s)やドイツ系の新しいディスカウント・チェーン、リドル(Lidl)がこれを行っています。このトレンドが日本にも広がり、いつか東京銀座のど真ん中にリドルやアルディ(Aldi)の店を見る日が来るのでしょうか。 もう一つ明白な変化は、喫煙に対する非常に厳格な措置です。職場や公共の閉鎖空間での喫煙は法律で禁止され、多くのビルの入口に「Smoking is illegal on these premises.(この建物での喫煙は違法です)」と表示されています。またタバコの値段が非常に高くなり、20本入り1箱が10ポンド(今日の為替レートで約1,750円)もします。その結果、多くの銘柄でははるか昔のように10本入りパックで販売しています。この関連でもう一つ、ニコチンを含んだ蒸気を吸引する「電子タバコ(e-cigarette)」の台頭があります。ヨーロッパやほかの国々から違法に輸入される巨大なタバコ闇市場の存在もあります。 ほかにも、新しいもの変化したものがたくさんありました。それにも関わらず、英国が今でも、かつて詩人ウィリアム・ブレイクが表現した「green and pleasant land(心地よいみどりの大地)」であったことに喜びを感じました。なによりも到着したとき、そこはUnited Kingdom(連合王国)でした。日本に帰る時点でも王国は依然として連合のままでした。スコットランドの人々が、投票でイギリス(UK)に留まる選択をしたからです。 コメントはクローズされています。
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7 月 2022
筆者Jeff |