インターネットの台頭にともない、今ではほとんどの新聞がハードコピー版の一部や全コンテンツを独自のウェブサイトに掲載しています。ほとんどのサイトでは、一部のコンテンツだけが無料です。「ウォール・ストリート・ジャーナル紙」のように、コンテンツの大半を購読者に制限しているものもあります。
オンライン化の利点の一つとして、「ニュース速報」を迅速(ときには発生と同時)に流せることがあります。例として、先日のボストンマラソン爆発事件があります。その際、「ガーディアン紙」のウェブサイトでは、ライバルの放送メディアに匹敵する早さで、事件の状況が報じられました。 オンライン新聞のもう一つの利点として、短いビデオや双方向機能といったコンテンツを追加できることがあります。 実際に紙で発行している新聞のオンライン版のほか、オンライン版のみの新聞もあります。従来の新聞と同様、記者もいて編集部もありますが、「オンライン版しか」ありません。「サウスポート・レポーター紙」(英国)や「アトランティック・ハイランズ・ヘラルド紙」(米国)といった最初からオンライン版だけの新聞以外に、「シアトルポスト・インテリジェンサー」(米国)のように、もともとは紙で発行していたものがオンライン版だけになった新聞もあります。 オンライン版ニュースには、「ニュースアグリゲータ」という種類があります。ソフトウェアを使って、ニュースのヘッドライン、ブログ、ポッドキャストなど「シンジケート化されたウェブコンテンツ」を、リンクという形で1箇所に集めたものです。「ドラッジ・レポート」、「ハフィントン・ポスト」、「グーグルニュース」などがあります。アグリゲートサイトの場合、リンクが常時更新されるため、新たなコンテンツを求めて多くのサイトにアクセスする必要がありません。自動集結される「フィード」機能に加え、コンテンツを手動で追加することも可能です。 最古のアグリゲートサイトに、ショービジネスのゴシップ・メールマガジンとしてスタートした「ドラッジ・レポート」があります。現在はリンクとブログを合わせて掲載しており、保守的と言われています。後に「モニカ・ルインスキー・スキャンダル」として知られる情報を、1998年1月に最初に報じたことで名声を得ました。それ以来、ソーシングの誤りや正確性、疑義に関する問題で数々の論争に巻き込まれています。 もう一つの有名サイトは、2005年にスタートした「ハフィントン・ポスト」です。ニュース、ブログ、ニュース/ビジネス/娯楽/その他広範囲の記事をカバーする自前のコンテンツを掲載しています。「ハフィントン・ポスト」は、リベラル・左寄りと言われています。2011年、巨大メディア企業AOLに買収され、2012年に米国のNo.1政治サイトとしてランキングされました。 「ハフポスト」(このように呼ばれる)のもう一つの特徴は、地方版と国際版があることです。5月、「ザ・ハフィントン・ポスト日本版」が6カ国目の国際版として開設されました。創始者である主幹のアリアナ・ハフィントン氏は、日本版開設における東京での記者会見で、従来通り広範囲の話題を日本語で提供することに加え、控え目な日本人がオンラインで議論に参加し、意見を述べるよう働きかけたいと話しました。「ハフポストは読者が中心です。全てはエンゲージメント(関わり度)次第です。そこが他とは一味違います」とも言っています。また、読者からのブログ投稿を国会議員の直後に掲載できることもアピールしました。さらに、日本の多くのネット討論サイトで見られる超国家主義的な中傷コメントを防ぐため、記事へのコメントを監視し、エディターが投稿を評価することも合わせて発表しています。 以上がオンラインニュースの概要です。早速、http://www.huffingtonpost.jp/にアクセスして、実際にご覧になってみてはいかがでしょう。 コメントはクローズされています。
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7 月 2022
筆者Jeff |