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Aspects of language and culture, by Jeff
~言葉と文化のとらえ方~

第63回 法律英語

11/7/2012

 
仕事上の文書や読んでいる小説の中などで法律英語を見かけることがあると思います。もともと法律英語は、英国、米国、オーストラリア、南アフリカなど英語圏の国々でしか使われていませんでした。しかし英語がビジネスでの国際言語となった今日、法律英語もまたEU諸国を含め世界中に広まっています。
 
法律英語は標準英語を基本としていますが、専門用語や言語構造、句読法などの点で普段は使われない特長も随分あります。その理由を歴史からひも解いてみましょう。
 
1066年のノルマン制服前までは古典英語が法律言語として使用されていましたが、それ以降はノルマンフランス語となり、古典英語は幾分残すのみとなりました。これとは別に、法律記録の言語はラテン語になりました。ノルマンフランス語の影響は未だに色濃く残っており、‘estate’, ‘tenant’, ‘executor’  ‘lease’などのほか多くの言葉が今日でも使われています。1363年になると法的措置においては英語を使用するとの法律が制定されました。しかしラテン語も記録する際の言語としてその後300年の間使用されてきました。ラテン語の影響は、‘bono fide’, ‘ad hoc’ , ‘de facto’などの形で今日でも見受けられます。
 
こうした3つの言語が入り混じったことが、法律英語独特の特長が生み出された一因です。具体的には、明瞭姓を期すために2か国語がペアにされました。この二重語が当時の法律英語の文体として定着し、今日まで引き継がれています。例を挙げると、英語とフランス語がペアになった ‘breaking and entering’、英語とラテン語のペアの ‘will and testament’ などです。どちらも英語からなる ‘let and hindrance’, ‘have and hold’といった二重語もあります。
 
法律英語の別の特長として、日常会話では使われない特殊な語形が挙げられます。例えば、既に述べられた事柄を繰り返す場合に ‘said’ や‘aforementioned’ などが用いられます。用例は ‘the said John Smith’、‘the aforementioned document’のようになります。
 
普段の会話では一般に見られない ‘whereof’, ‘hereof’, ‘thereof’ などの独特な副詞も使われます。末尾がofの代わりにto, on, by, at, inとなるものもあります。これらは一般的に既出の事柄を繰り返さないようにするために使用され、‘the parties to this contract’ は ‘the parties hereto’ のように表現されます。
 
法律英語では句読法にも特長があります。句読法がないのが特長です。現代の法務では句読法に慎重な配慮を期しますが、昔の法律家は句読法に興味がなくあまり使わなかったようです。きっと、文面の内容を伝えるには言葉だけで事足りると考えたのでしょう。
 
この他にも法律英語には多くの特長があります。それで契約書を読んで理解するのは難しいということになっているはずです。法律英語のような特殊な言語に出くわして調べなければならなくなった時は、Oxford Dictionary of Law がお役に立つでしょう。

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    筆者

    Jeff
    イギリス、ランカシャー出身。1992年からYTBのエディターとして活躍。その他にも大阪大学、関西大学、大阪外語大学で教壇に立っている。大阪在住。

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