この時期、評論家たちは過ぎ去った1年を振り返り、新たにやってくる年について予想したがります。英語圏では、2つの大きな話題があります。アメリカのドナルド・トランプ大統領とイギリスのブレグジットです。
トランプ大統領が当選した時、多くの人々は彼が大統領になることに愕然としましたが、トランプ大統領の脅威に対処する方法があるはずだとお互いを慰め合いました。アメリカの価値観、利益、同盟国との関係をやっかいな新参者から守ってくれると思われる、政権内の“おとな”が頻繁に話題になりました。ウォール街では、金融市場が同様の賭けに出ました。しかし、大統領があまりにも無謀なため、株価や企業利益に影響を及ぼす政策を大統領には決定させないことを決めました。 さて、大統領がシリアからの米軍撤退を一方的に決めたことをめぐって、高い評価を受けている元海兵隊大将のジェームス・マティス国防長官が最近辞任したように、政権内の“おとな”はほぼ全員いなくなりました。他にも、レックス・ティラーソン元国務長官、H.R.マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官、ゲイリー・コーン経済担当大統領補佐官など多くが去りました。トランプ大統領の3人目の大統領首席補佐官であるジョン・ケリー氏も1月に去る予定です。 2019年の見通しとしては、トランプ大統領は1月に民主党が多数派である新たな下院議会が召集される時に初めて真の反発に直面することとなり、さらに不安定に、そしてより予測不能となる可能性があります。 一方、イギリスでは、合意がないままEUを離脱する可能性が高まっているため、ブレグジットの混乱が続いています。ほとんどの評論家が“合意なき離脱”を最悪な選択肢としていますが、実際にイギリスはそれに向かっていると考えています。12月、テリーザ・メイ首相はEUとの合意について議会での投票を延期しなければなりませんでした。負けることが明確であったからです。しかし、投票は首相への支持が増えている様子がないまま1月に行われます。メイ首相が負けた(その可能性がとても高いですが)場合、どうなるのでしょうか?党首不信任投票となり、メイ首相は負けたら辞任しなければならないでしょう。それによって総選挙となるかもしれませんし、党内でハードブレグジット支持者が勢力を得るために動くかもしれません。もしかしたら、EU残留のための新たな国民投票まで行われることになるかもしれません。 または、多くの議論がありながら何も動きがなかった過去の数カ月と同じ状況が続くかもしれません。その場合、イギリスは合意がないまま、史上最低の景況感のなか、2019年3月にEUから離脱することになります。 何が起きても、2019年は興味深い1年となるでしょう。 コメントはクローズされています。
|
過去の記事を読む
7 月 2022
筆者Jeff |