●本文と表示する項目とのデータのバランスを取る これは、論文の本文中で述べるデータと図表に盛り込むデータとの間に適切なバランスを取るという意味です。くれぐれも、図表に含めた内容のすべてを本文で繰り返さないようにしてください。サイエンティフィック・ライティングについて書かれた本では必ずこのアドバイスが載っていると思いますが、世界中の著者がこれを無視しています。ではこのアドバイスは本当に重要なことでしょうか。名の通ったインパクトファクターの高い有名雑誌に論文を掲載されたいと考えるのであれば、おそらく大切なことです。では以下の問題をやってみましょう。Table 1 を見直し、論文の Subjects and Methods (「対象と方法」) の項で言及するのにふさわしい重要なデータを選び、以下の項目を記入してください。なお、男性と女性との間に有意な差は認められなかったものと仮定してください (注:男女の差については Table には記載されていません)。 リストに含まれている項目の数がヒントです。今述べた通り、被験者の 2 群間で有意差は認 められないのですから、All subjects (全被験者) の欄からデータを選択するのがよいでしょう。そして、被験者数の全体図を示せばよいでしょう。また、1 群が 125 例なのですから、割合に言及するのも有効です。データは次のように報告することができます: “The 125 subjects with hyper (80 men and women) had a mean age (+ SD) of and a mean body index (BMI) of 27.8 kg/m2. With regard to comorbidities, (20.8%) had diabetes, 15 patients (12.0%) , and 32 patients ( ) had hyper .” 空所を埋めたら下の文と比較してください。 “The 125 subjects with hypercholesterolemia (80 men and 45 women) had a mean age (+ SD) of 67+9 years and a mean body mass index (BMI) of 27.8 kg/m2. With regard to comorbidities, 26 patients (20.8%) had diabetes, 15 patients (12.0%) had angina, and 32 patients (25.6%) had hypertension.” Table 1a Subjects in a clinical trial of Drug X Table 1a と共に本文を読むと、バランスのとれた情報提示となっていることがわかります。実は他にもわかることがあります。Table 1a と Table 1 とはどう違うでしょうか。表中に含まれる情報自体は同じです。しかし、All subjects が最初に来るように並べ替えてみました。あなたは、どちらのデータをより理解しやすいと感じますか。両方とも同じでしょうか。今回の場合、私なら元の Table 1 の方が分かりやすいと感じます。なぜなら、右側に被験者群全体が示されているからです。私の場合、右側に合計のデータがあることを予測するからです。これに対し、もしかしたらあなたは Table 1a のように群全体の値が左側にあり、それを下位の群に分ける方がいいと思うかもしれません。これは文化的な見方によって違います。
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筆者
Dr.McQuire |