あけましておめでとうございます。David McQuireです。2007年がよい一年になるよう、お互い体調管理には気を付けてがんばりましょう。 さて、この第3回からは、論文の各セクション別に、より実践的で具体的な話をしていきます。今回は、新年にふさわしく、論文の表紙を飾るTitle Pageを取り上げます。 Title Pageは、論文の構成のなかで目次の役割を果たします。「なんだ目次ぐらい」と思われますが、ここに記載した基本情報に不備があれば、論文の中身を問う次のステップに進めません。ですから、論文のおまけとは思わず、まずこのTitle Pageをしっかり準備することが大切です。投稿先の規程に沿って用意すれば、それほど手間のかかるものではありません。 どのジャーナルでもTitle Pageで最低限求められる項目は、(1) Title、(2) Author、(3) Affiliation、(4) Correspondenceです。まず (1) のTitleですが、これは論文の顔ともいえる重要な項目なので次回以降に詳しくお話します。(2) のAuthorでは著者名を記載します。ジャーナルによって、著者の人数に制限があったり、academic degree/titleの記載が必要な場合もあったりするので注意してください。(3) のAffiliationでは所属する施設名を記載します。著者の所属先がしっかり特定できるように配置します。住所はフルで記載する場合もあります。(4) のCorrespondenceでは代表者の連絡先を記載します。郵便番号を含む住所、電話番号、ファックス番号、e-mailアドレスを漏れなく記載しましょう。 ほかに必要な項目としては、(5) Running head、(6) Key words、(7) Financial disclosure、(8) Conflict of interestがあります。(5) のRunning headは、short titleまたはabbreviated titleとも呼ばれるように、Titleを短く縮めたものです。word数の制限があるので規定をよく確認してください。(6) のKey wordsでは、論文中に使用しているkeywordを3~6つ程度リストアップします。数は規定の中で指定されているので確認してください。keywordの選択にあたっては、PubMedのMedical Subject Headings (MeSH) を参考にするとよいでしょう。
(7) のFinancial disclosureでは、研究のために支給された助成金や提供された薬剤・機器の明示が求められます。一例として、“This study was supported by a grant (No. XX) to XX from the Japanese Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology.” など簡単な記載でOKです。(8) のConflict of interestでは、著者が研究に使用した薬剤・機器の製造元のアドバイザーである場合など、論文の客観性に影響する可能性を持つ事項について述べます。ない場合は、“None of the authors have any conflicts of interest associated with this study.” などと記載します。ジャーナルによって記載するセンテンスが決められている場合もあるので確認してください。 以上、今回お話したTitle Pageに記載する項目は、投稿先のジャーナルによって必要な項目、順番が大きく異なりますので必ず投稿規定を確認しましょう。例えば、Key wordsはAbstractのうしろ、Financial disclosureはAcknowledgementに含める、Conflict of interestはCover letterに記載するなど細かく決められています。また、論文中に使用したAbbreviationのリストの作成、論文のword数と図表の枚数の記載を要求するジャーナルもあります。それぞれの項目自体は特に難しいものではありませんので、やはり投稿先の規程をしっかり確認することがなにより重要です。 次回は、今回紹介しなかった論文の顔、Titleを付ける際のテクニックについてお話します。それでは。 |
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著者Dr.McQuire |