こんにちは。David McQuireです。今月はIntroductionの2回目として、具体的な例を挙げながら簡単に使える英語表現を紹介したいと思います。
まず論文の目的として、「Ca拮抗薬drug XはACE阻害薬との併用で効果が高められる一方、副作用は減少する」ことを検討する臨床試験を想定します。すると、この論文の意義としては、「併用による有効性がそれぞれ単剤の場合より高く、また副作用を減らすことができれば高血圧患者のコンプライアンスは改善される」ことが考えられます。 それではIntroductionを書き出してみましょう。 Hypertension requires long-term treatment to prevent complications, but maintaining good compliance is often a problem when asymptomatic patients develop side effects of medication.1) Combined therapy with agents that have different mechanisms of action can effectively control the blood pressure while avoiding adverse reactions that may arise during high-dose monotherapy.2) まず、論文の目的に関連した背景を述べる必要があります。上の例文では、「長期療法を必要とする無症候性の高血圧患者では、合併症を予防するために使用した薬剤によって副作用が起こり、コンプライアンスが低下する」ことを問題として取り上げています。このように、論文の目的に直接関連したトピックを取り上げることが重要です。 次に、試験で使用するdrug Xの特性を説明してみましょう。代表的なフレーズとしては、good antihypertensive effect、well tolerated、long acting、once dailyなどが考えられます。 drug X is a novel dihydropyridine calcium antagonist that inhibits both N-type and L-type calcium channels, and once-daily administration has been reported to achieve a good antihypertensive effect.3-4) 薬剤の説明として、名称、薬効クラス、薬理活性、投与頻度といった最低限必要な情報を述べています。この例文はほかにも応用することができます。 続いて、論文に関連したほかの試験の成績を紹介しながら、今回の試験の独自性を主張します。例として、「drug Xと利尿薬またはbブロッカーとの併用効果はすでに報告されているが、今回取り上げるACE阻害薬との併用はいままでに検討されていない」ことを説明します。 drug X is well tolerated when used in combination with thiazide diuretics5) or b-blockers.6) However, combined therapy with drug X and an angiotensin-converting enzyme (ACE) inhibitor has not been reported previously. この例文で使用した、「However, … has not been studied/investigated/reported previously」の一文は、試験の価値・独自性を強調したいときに広く使うことができるので覚えておいてください。 最後に、論文の出発点である試験の目的について説明します。 Accordingly, we examined the efficacy and safety of combined therapy using drug X and an ACE inhibitor (drug Y) in patients showing poor compliance with their current therapy, since this combination was predicted to be better tolerated and more effective than those tested previously. いかがですか。この例文にある「Accordingly/Therefore, we examined/investigated the … in patients with/showing/who had …」のパターンもほかに応用することができるので試してみてください。 ここまでIntroductionを作成する際のヒントを2回にわけてお話してきました。次回からはMaterials and Methodsを取り上げていきます。それでは。 |
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著者Dr.McQuire |