こんにちは。David McQuireです。今回はAbstractを作成する際の注意点の最終回です。 5. 本文中の例数や重要な結果は具体的な数値とともに記載する 試験のサイズをAbstractに記載することはたいへん重要です。Abstractに記載されている試験のサイズをみて、その論文の重みを判断するといっても過言ではありません。もし2つの試験の結果がまったく同じであったとしても、症例数が10例の場合と1,000例の場合とでは臨床的な価値は大きく異なります。試験のサイズは必ずAbstractに記載しましょう。 また前回お話した通り、Abstractではword数が制限されるので、Abstractに記載するデータは、論文のなかでも特に述べたい重要な結果を厳選する必要があります。 一例を挙げてみましょう。 この結果を英語にしてみます。
Treatment with drug X significantly reduced the mean arterial pressure from 137 ± 18 to 115 ± 21 mmHg (P<0.01) and total peripheral resistance decreased by 12% (P<0.05), but heart rate and cardiac output showed no significant changes. 上記の通り、論文の核心となるポジティブな結果は、実際の数値とともに漏れなく記載しましょう。ここで、もしAbstractが規定のword数を上回ってしまった場合には、有意差のみられなかった心拍数、心拍出量の記述はカットします (「but heart rate and cardiac output …」)。ネガティブな結果はほとんどの場合不要です。 6. Abstractの情報を本文の内容と完全に一致させる これはごく当たり前ですが、忘れがちなことなので特に注意してください。私が皆さんの論文をチェックしていても、Abstractの内容、本文の内容、図表の数値の間における不一致をよく目にします。投稿先への印象が悪いばかりか、アクセプトされることは望めません。 さてAbstractを作成する際のヒントを3回にわけて説明してきました。ここで取り上げた6つの点に注意するだけでもだいぶ違ったAbstractになることでしょう。 次回からはいよいよ本文の内容について話を進めていきます。それでは。 |
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著者Dr.McQuire |