こんにちは、David McQuireです。今月は論文のTitleのつけ方の最終回として、非臨床試験を取り上げる際のテクニックについてお話します。 まずは一例です。 Comparison of 24-hr cardiovascular responses in SHRs treated with two dihydropyridine calcium antagonists, amlodipine or nifedipine retard: 1) Effect on the blood pressure and heart rate どこに問題があるかわかりますか。答えは、1) 長すぎること、2) abbreviationが使われていること、3) シリーズ番号が使われていることの3つです。まず、「cardiovascular responses」は、後ろの「blood pressure and heart rate」と重複しているのでカットします。次に、abbreviationの「SHRs」は「spontaneously hypertensive rats」とスペルアウトします。最後に、シリーズ番号の「1)」をカットすると、次のようになります。 Comparison of 24-hr blood pressure and heart rate in spontaneously hypertensive rats treated with dihydropyridine calcium antagonists, amlodipine or nifedipine retard 最初に比べるとだいぶすっきりしましが、まだ長い印象を受けます。nifedipineは以前から幅広く使われている薬なので、amlodipineも同じタイプの薬であろうと推察することができます。そこで、思い切って「dihydropyridine calcium antagonists」をカットします。また、「blood pressure and heart rate」をカットして、先の例にあった「cardiovascular responses」を復活させるのも一つの手です。正確性では劣りますが字数を減らすことができます。あとは、「treated with」を「receiving」と1つの単語にすることもできます。 Comparison of 24-hr cardiovascular responses in spontaneously hypertensive rats receiving amlodipine or nifedipine retard または Amlodipine versus nifedipine retard: 24-hr cardiovascular responses in spontaneously hypertensive rats だいぶ短くなりました。最初にあった情報を漏れなく記載するにはこれが限界でしょう。第4回で述べた非臨床試験のTitleの必要事項である、動物種、系、トピック、薬剤名、対照のすべての情報が含まれていることにお気付きですか。 もう一つ例を挙げます。
Amlodipine protects the heart and delays the onset of HCM in hamsters このTitleの大きな問題は、declaration/statement形式になっていることです。こうしたスタイルのTitleをアクセプトするかはジャーナルによって異なるので注意が必要です。投稿規定や掲載されている論文を参考に判断しましょう。迷ったときは無難な道を選択するのがアクセプトされるための鉄則です。ここでは無難に通常のスタイルに直します。まず、「amlodipine protects the heart」の順番を変えて「cardioprotective effect of amlodipine」とします。次に、このTitleのメイントピックである「delays the onset of HCM (= hypertrophic cardiomyopathy)」をTitleの先頭に配置します。すると、次のようになります。 Onset of hypertrophic cardiomyopathy delayed by cardioprotective effect of amlodipine in hamsters 英語の流れからすると少しぎこちないので次のように微調整します。 Delayed onset of hypertrophic cardiomyopathy in hamsters due to cardioprotective effect of amlodipine いかがですか。スタイルは大きく変更しましたが、最初にあった必要な情報はすべて記載されています。前回同様、非臨床試験のTitleをつけるときの定型パターンを示しますので一つのテクニックとして覚えておくといいでしょう。 この3回にわたる連載でTitleをつけるときのコツはマスターできましたか。次回からは、論文のAbstractを作成する際のヒントをお話していきます。それでは。 コメントの受け付けは終了しました。
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著者Dr.McQuire |