今回は健康に関連するイディオムをご紹介します。
あまり気分がすぐれない時は ‘feeling under the weather’や ‘feeling off-colour’ と言います。 ものすごく具合が悪い時は、人から ‘look like death warmed up’(死のウォームアップみたい)と言われたりします。そんな風に言われたら2、3日休んで ‘recharge your batteries’しましょう(日本語の「充電する」と同じ表現ですね)。 十分休養を取れば(‘on the road to recovery’)回復に向かいます(‘on the mend’ )。 すっかりよくなったら、ピンピン元気になったと感じる(‘as fit as a fiddle’、‘as right as rain’.)でしょう。(fiddleはバイオリンで、バイオリンの絃がピンと張っていることが語源です。また雨は天気予報に関係なく降るときは降るので、雨は正しい、というのが語源のようです。) 回復が進まず往生してしまった場合、人は ‘given up the ghost’ ‘bitten the dust’‘popped your clogs’と言ったりします。この他に「死」に関するイディオムとして、‘kick the bucket’‘fall off your perch’などもあります。 マフィアのような悪徳漢が死んだ場合には特別な言い回しが使われます。何者かによって消される暗殺を ‘mob hit’と言います(mobはマフィアのスラングです)。暗殺されたmobはそのあと ‘sleeping with fishes’となります。死体を海に投げ捨てるギャングがよくやる手口から連想した表現です。 イギリス英語で ‘mad’ は気がふれるという意味で、アメリカ英語では怒ることですが、‘mad’な状態の誰かを別な表現でどう言うかについてご紹介すると、 ‘He’s not all there.’ ‘He’s off his trolley.’‘ She’s not right in the head.’ ‘She’s got a screw loose.’ ‘He’s a basket case.’ ‘He’s off his rocker.’ ‘She’s as nutty as a fruitcake.’ ‘She’s one sandwich short of a picnic.’ (この場合の‘short’は足りないの意味です)などなどあります。 病院や薬を連想させるイディオムもあります。病院に行くと調べられる痛いところの ‘a sore point’は「痛いところを突くポイント」という意味もあり、人に恥ずかしい思いをさせたり怒らせたりするかもしれないので「言わない方がいい話題」という意味で使われることがあります。 ‘Don’t tell Bob that you passed your driving test. It’s a sore point for him, he failed his test last week.’(運転免許試験に合格したことをボブには言わない方がいいよ。彼は先週落ちちゃったから「痛い」話題なんだ。) ‘give someone a taste (or dose) of their own medicine’ (直訳すると「自分の薬の味(服用量)を人にあげる」こと)というイディオムは、誰かが自分にした悪さを思い知らせるために同じことをしてやるという意味です。‘I’m not sending Joan a Christmas card this year. She never sends any so I’m giving her a taste of her own medicine.’(今年ジョアンにはクリスマスカードを送らないことにする。彼女からは一度も来たためしがないから、同じことをしてどんな気持ちになるか分からせよう。) 直訳すると「苦い薬を飲みこむ」というイディオムの‘A bitter pill to swallow’ は、「いやな気持にはなるが、受け入れなければならない」という意味です。 ‘Losing my cat was a bitter pill to swallow.’(うちのネコが死んでしまって辛いけどどうしようもない。) ‘sugar the pill’(直訳すると「薬を甘くする」)は嫌なことを受け入れやすいものに変えるという意味です。 ‘The teacher sugared the pill of giving extra homework by sending the students home early.’(あの先生ったら宿題をたくさん出したよ。代わりに早めに切り上げてくれたけど。) 理解の幅が広がったでしょうか。それでは、みなさんがこの暑い夏を ‘as fit as a fiddle’ で乗り切ることができますように。 コメントの受け付けは終了しました。
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7月 2022
筆者Jeff |