どうすれば自然な英語になるかに関する連載は今回が最後になります。これまで原文のスタイルやパターンに近づけすぎないことを学んできました。今回は、さらによくある間違いを見ていきます。
常に主語を最初に置くように心がける。 Among foreign vehicles imported into Japan, BMW is one of the best known. Among deep sea fish, blue fin tuna is the most expensive. Of all the planets in the solar system, Earth is the only one to support life. 上記の3例はいずれも、まず主語(例:BMW)を集団(例:foreign vehicles)に割り当ててから、その主語が集団とはいかに異なっているかを説明しています。英語ではその関係を直接述べてください。つまり、以下のようにします。 BMW is one of the best known foreign vehicles imported into Japan. BMWは日本に輸入されている最も有名な外国車の1つだ。 Blue fin tuna is the most expensive deep sea fish. 本マグロは最も高級な深海魚である。 Earth is the only planet in the solar system to support life. 地球は太陽系の中で唯一生命を維持できる惑星である。 補足的なものを「対立」しているように扱わない。 The computer had an excellent monitor, on the other hand it had a large memory. On the other handは対立しているものを表す際に使われます。補足的なものを示す場合には使いません。以下のような場合に使用します。 Jim likes steak on the other hand he hates fish. ジムはステーキが好きだが、魚は嫌いだ。 Thailand is a cheap country, on the other hand it is expensive to get there from Britain. タイは物価の安い国であるが、イギリスから行くには高い費用がかかる。 最初の文は対立しているものを示していないため、次のようにします: The computer had an excellent monitor and also a large memory. そのコンピューターには優れたモニターに加え、大容量メモリも搭載されていた etcについて 翻訳でよくある間違いとして、日本語の習慣に従ってetcやand so onを文末につけることが挙げられます。etcは何を指しているのか確実に分かる場合にのみ使用します。つまり、誰もが知っている内容を指す場合に限ります。 Typical problems of modern cities are overcrowding, pollution and noise etc. 近代都市の典型的な問題は、過密、公害、騒音などである。 ここでは、犯罪など他にも都市が抱える多くの問題を挙げることができるので、etcが何を言っているのか迷うことはありません。 次の場合にetcは使いません。 Modern cities have problems such as overcrowding, pollution and noise etc. ここでetcは必要ありません。なぜなら、such asとすることで、すでに他にも問題があることを示しているからです。よってetcは意味が重複しているため不要となります。 知ることができない内容でetcを使わないでください。 My favourite colours are red, green and blue, etc. 私の好きな色は赤や緑、青などです。 他に何色が好きなのかを推測することは不可能です。このような場合、etcは相手を困惑させる不快なものとなってしまいます。 as a resultとthe resultsはよく混同されます。as a resultは、「A」が原因となって「B」を引き起こす場合に用いられます。 As a result of the heavy rain the football match was cancelled. ひどい雨によって、フットボールの試合は中止となった。 The resultsは結果を表す際に使われます。 The results of the experiment agreed well with the measurements. 実験の結果は実際の測定値と十分に一致したものであった。 表現について 表現は直接的にします。つまり: This paper aims to introduce a brief history of bread making. この文書はパン作りの歴史の概要を紹介することを目標としている。 ではなく、 This paper introduces a brief history of bread making. この文書はパン作りの歴史の概要を紹介している。 とします。 ここまで原文に近づけすぎないことで、英語をより自然にすることを考えてきました。ただ、原文とかけ離れすぎてもいけません。原文に近づけすぎることよりは少ないものの、それでも起こりうる間違いであることは確かです。著者が書いたものを「より良く」しようとしたり、変えようとしたりしてはいけません。文章中で筆者の意図が理解できない場合は、意味を推測するのではなく、ヒントとなるものを探してください。 優れた英文を読むことによって、正しく聞き取る「耳」が育つことを常に頭に入れておいてください。 コメントの受け付けは終了しました。
|
過去の記事を読む
7月 2022
筆者Jeff |