以前確認したとおり、語学を学習する場合にスラングを学んでもそれほど役に立ちません。スラングは変わりやすく、使うと失礼にあたる場合もあります。ですが、イディオムはためになるうえ楽しく学習できます。英語はイディオムが豊富です。必ずしも分かりやすくはないものの、覚えて実際に使ってみる価値はあります。
イディオムの題材はさまざまですが、まずは人の身体を使った表現、中でも「目」と「耳」を使ったイディオムについて見ていきましょう。 「to see eye to eye with someone」とは、相手と意見が一致することを意味します。 John and Hugo finally saw eye to eye after arguing for hours. 何時間も議論を重ねたのち、JohnとHugoはようやく意見の一致を見た。 「someone ‘opens your eyes’ to something」とは、初めて何かを理解する助けとなることを意味します。 Yoko was a wonderful teacher, she opened my eyes to Japanese calligraphy. ヨーコはすばらしい先生でした。私の目を日本の書道に向けさせてくれました。 「eye-opener」とは、思いがけないことが明らかになった状態を言います。 It was a real eye opener when I saw Ted with Lucy. They are madly in love. TedとLucyを見たときは本当に驚いたわ。もうラブラブなんだから。 「keep an eye open」とは、何かに気をつけることです。 Keep your eyes open for the police while I steal this bicycle. 俺が自転車を盗む間、警察に注意していてくれ。 「keep an eye on」とは、注意の目をそらさないことを意味します。 Keep an eye on those two men officer. I think they are trying to steal a bicycle. あの二人の男性警官から目を離すなよ。自転車を盗もうとしているぞ。 「to not believe one’s eyes」とは、目の前のものが信じられないことを意味します。 I couldn’t believe my eyes when Japan missed the penalty kick. 日本チームがペナルティキックを外したときは我が目を疑ったよ。 これとよく似ているのが「believe one’s ears」です。 I couldn’t believe my ears at what he told me. 彼が言った言葉には耳を疑った。 「you ‘are all ears’」とは、熱心に耳を傾けることです。 Tell me all about Ted and Lucy. I’m all ears. テッドとルーシーのことを教えてよ。聞きたくてたまらないわ。 「‘get an earful’ from someone」とは、その人から叱られていることを言います。 I got a right earful from my wife when I went home drunk last night. 夕べ酔っ払って遅く家に帰ったら、女房からさんざん怒られたよ。 「go ‘in one ear and out the other’」とは、大事なことに注意を払わないとか、すぐに忘れてしまうことを意味します。 My husband never listens to me, it goes in one ear and out the other. 主人ったら全然私の話を聞かずに、右から左へ聞き流しているのよ。 注意を引くものには「catch your eye」を使います。 I saw a red dress in the shop window that caught my eye. お店のウィンドウで赤いドレスを見て、目が釘付けになっちゃった。 「to play by ear」とは、状況に応じて対応することを意味します。 Tom never plans his chess strategy beforehand. He just plays it by ear. チェスをするとき、トムは決して事前に戦略を立てない。状況に応じて打つだけである。 また「play by ear」は楽譜を読まずに楽器を演奏する場合にも使われます。 Julia just hears a tune once and she can play it by ear. ジュリアは一度曲を聞くと、耳で覚えて演奏できる。 これらは身体に関するイディオムの一部です。こうしたイディオムを少し織り交ぜると、会話がとても自然なものになります。イディオムは「go in one ear and out the other」してはいけませんよ。 コメントの受け付けは終了しました。
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7月 2022
筆者Jeff |