

こんにちは, David McQuireです. 今月からは, 論文の構成の中でも特に重要なAbstractを作成する際のヒントについてお話していきます.
なぜAbstractが重要なのでしょう. ご存知のとおり, 通常はまずAbstractを読み, その内容に関心があれば, 論文のフルテキストを読み進めていきます. PubMedなどの検索ツールを使った場合も同様に, まずはkeywordやtitleで関心のある分野をおおまかに検索しますが, ヒットした論文を効率的に選択する判断基準はAbstractにほかなりません. ですから, 自分でAbstractを作成する際も, 将来アクセプトされたときにほかの研究者から広く検索・閲覧されることを念頭に置いて, 簡潔で読みやすいAbstractにするよう心がけましょう.
Abstractを作成する際の基本的な注意点は次の通りです.
1.それだけで完結・独立したAbstractにする.
2.abbreviation, 引用は使わない.
3.投稿規定の見出しを参照する (background/objective/purpose, method, result, conclusionに沿って重要な情報をまとめる).
4.投稿規定のword数におさめる.
5.本文中の例数や重要な結果は具体的な数値とともに記載する.
6.Abstractの情報を本文の内容と完全に一致させる.
1. それだけで完結・独立したAbstractにする
これは最初に説明した理由から重要なポイントです. 論文全体を読まなくても, その要旨がAbstractだけで的確に伝わるよう情報を厳選し, 首尾一貫した構成を心がける必要があります. ですから, 「We obtained interesting results which are discussed in the manuscript」と書いたら当然リジェクトされます.
2. abbreviation, 引用は使わない
abbreviationの使用は全面的に禁止さているわけではありませんが, 使わないほうがベターです. また, Abstract中でのreferenceからの引用も, 多くのジャーナルでは認められていませんので注意してください. word数に制約のあるAbstractではついabbreviationを使いたくなります. ここでちょっとしたコツをお教えしましょう.
例:The subjects included 250 patients undergoing percutaneous transluminal coronary angioplasty (PTCA) and 200 controls who did not receive PTCA.
このようについPTCAを使いたくなりますが, 最初に述べるときにフルスペルを記載しておけば, 2回目以降はある程度単語を省略しても意味は伝わります.
The subjects included 250 patients undergoing percutaneous transluminal coronary angioplasty and 150 controls who did not receive angioplasty.
同様に, coronary artery bypass grafting (CABG) などは, 前後の文脈に応じてbypass, grafted, bypass grafting, bypass surgeryなどに置き換えることができます. このような例はたくさんあるのでご自分で工夫してみてください.
また, ここで一つ…. electrocardiographyをよくECGと略しますが, これはせっかくabbreviationにしても同じ1 wordのまま変わりません. お気づきでしたか.
次回もAbstractを作成する際のヒントについてお話します. それでは.