
第5回 無生物主語の訳し方
メディカル英文の特徴は;1.正確で直接的な表現が使われる(時を表すならasではなくwhen)。2.短く簡潔に表現する(1文を20語以下に!)。3.事実と意見を別々にする。そして、4.物が主語となって文が展開される。
今回は、この4番目の「物が主語となって文が展開される」についてご説明しましょう。英文ライティングでは、文章が長くなるので、主格(I、We、You、He、She、Theyなど)を主語とすることを避ける傾向にあります。そのかわり物を主語にしてS+V+OないしはS+V+O+Cの文型が多用されます。
英文では無生物があたかも人格を持っているかのように主語となることがあります。この様に、物が主語になって表現されることを『無生物主語』と言います。以下の例文を見てみましょう。
例文: Bad weather prevented Mary from taking off on schedule.
この文の主語はBad weather(悪天候)ですが、悪天候は生物ではありません。しかし、あたかも悪天候という意思を持ったヤツが両手を広げてメアリーの行く手に立ちふさがっているような表現です。これを生物であるMaryを主語にしてしまうとMary was prevented from…と、文章が長くなってしまいますので、それを避けて無生物主語にするのです。
メディカル英語で頻繁にお目にかかる無生物主語の表現としては;
The graph shows that…
⇒ そのグラフより…であることが解る
These study results suggested that…
⇒ それらの試験成績から…であることが示唆された
などがあります。無生物主語の訳し方には、大きく3通りの方法がありますので覚えておきましょう。
① 原因や理由を表す場合
These biased data made the interpretation of the study results difficult.
(データに偏りがあるために、試験結果の解釈が難しくなった。)
この場合は「~のために、~の理由で」と訳すと良いでしょう。これを生物であるWeなどを使って書きかえる時は接続詞としてbecauseを使います。
We could not interpret the study results easy because there are the data with bias.
しかし、この様に生物を主語にするとかなり素人っぽい英語になってしまいます。
② 条件や手段、方法を表す場合
This drug will cure you of fever soon.
(この薬を飲めば、熱はすぐに下がりますよ。)
この場合は「~すれば、~によって」と訳すとうまくいきます。これを生物であるYouなどを使って書きかえる時は接続詞としてifを使います。
If you take this drug, you will cure your fever soon.
しかし、この場合も生物を主語にするとかなり素人っぽい英語になってしまいます。
③ 時間を表す場合
Two more days will resolve your headache.
(二日ほど経てば、頭痛は消えますよ。)
この場合は「~になれば、~経てば」と訳すとうまくいきます。これを生物であるYouなどを使って書きかえる時は接続詞としてwhenを使います。
When two more days pass, your headache will be resolved.
無生物主語の英語表現は慣れてきますと簡単に訳せる様になりますが、それまでは間違っても「(主語)は、~」と訳さないように気をつけましょう。
デハマタ・・・![]()